2000年代初頭にブームとなった「岩盤浴」。現在も根強い人気を誇っていますが、果たして実際にはどのような効果があるかご存じですか？
「岩盤浴」は美肌やダイエットにおすすめの健康法。今回は、その効果的な入り方についてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
岩盤浴とは？
岩盤浴はサウナ形式のお風呂の1種で、「お湯のいらないお風呂」と呼ばれています。
野外や屋内に岩石を加工したベッドを設け、電熱線などで温めます。温まった岩石からは遠赤外線が発生し、これが体の隅々を温めてくれるのです。
利用者は裸ではなく作務衣（さむえ）などを身につけ、タオルやゴザを敷いた岩石のベッドの上に横たわります。サウナの温度が90度前後であるのに対し、岩盤浴は40度前後であるため非常に過ごしやすく、女性や高齢者が負担なく利用できる特徴を持っています。
岩盤浴の効果
岩盤浴を行うと、女性に嬉しい効果が2つあります。
1.美肌
サウナの発汗が皮膚の表面からなのに対して、岩盤浴は体の中から発汗しています。これは岩石から出る遠赤外線の働きによるもの。
皮膚からの汗は、いわゆる気温が暑い時に汗腺から出る汗のことで、ベタベタとしています。一方で体の中から出る汗は、体内が温まることにより皮脂腺から出るためサラサラとしています。サラサラの汗を日常でかこうとする場合、マラソンなら30km、エクササイズなら2時間が必要で、なかなか難しいのです。
また、実はこの皮脂腺から出る汗はとても重要なものです。なぜなら老化の原因である酸化した体の老廃物や皮脂が、汗と一緒に排出されるためです。同時に、このサラサラの汗は皮膚を潤す天然の保湿液の役割も担っています。そのため、岩盤浴を行ったあとはすぐにシャワーで流さず自然乾燥することが望ましいです。冷えてしまうようであれば、タオルで軽く拭き取る程度にすると良いでしょう。
2.ダイエット
先にも書いたように、岩盤浴は体の隅々を温めてくれます。これにより、汗とともに老廃物が排出されるだけでなく、体の代謝が高まり脂肪が燃焼しやすくなります。
ただし、これは岩盤浴をしただけでカロリーが消費されるという意味ではありません。岩盤浴のみの消費カロリーは微々たるものです。しかし、体の代謝を上げてくれるため、「痩せやすい体」を作る手助けをしてくれます。
つまり、定期的な岩盤浴とともに、有酸素運動をしたり食生活を見直したりすることによって、ダイエットが成功しやすい体を手に入れることができるのです。
岩盤浴の効果的な入り方
岩盤浴にただ入るだけでは、その効果を存分に体験することはできません。ここでは、岩盤浴の効果的な入り方についてご紹介します。
【1】食事
胃を空にすることで脂肪燃焼効果が高まるため、食事は岩盤浴に入る2時間前までに済ませておきます。
岩盤浴後の食事は1時間空けてください。またその際は、吸収力が上がっているため高カロリーなものは避けましょう。
【2】時間
岩石のベッドに寝る時間は1回あたり15～20分を目安にしてください。
まずは、10分ほどうつ伏せになり内蔵側を温めましょう。次に、残りの時間は仰向けに寝ます。そして、5～10分休憩をし、水分補給をします。これが1セットになります。合計で60～90分ほど入ると良いでしょう。しっかりと休憩をしないと脱水症状を起こしてしまうこともあるため、気をつけてください。
【3】体勢
上記で体勢を変える時間を書きましたが、これはコロコロと体勢を変えると体が温まりにくくなるためです。なるべく体勢を変えずにじっくりと岩石の熱を体に伝えることが大切です。しかし、自分の楽な姿勢をとってリラックスすることも大切なため、それぞれの体勢を変える時間はあくまで目安です。内蔵を温めたい方はうつ伏せを長くするなど、工夫してください。
【4】呼吸法
周りの温かい空気を呼吸で取り入れるのも重要です。鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐くことを意識すると良いでしょう。このような呼吸法を行うと、より体の中から温まるだけでなく、自律神経の安定にもつながります。
【5】水分補給
岩盤浴を行うと大量の汗をかきます。そのため、入った後だけでなく、入る前や入っている最中にも水分を補給しましょう。なお、必ず500～800mlの水分を摂るようにしてください。喉が渇いたらガブ飲みするのではなく、ちびちびと少しずつ飲むようにしましょう。ミネラルウォーターやスポーツドリンクがおすすめです。
おわりに
手軽に横になるだけで美肌やダイエット効果があるのは女性にとってとても嬉しいですよね。最近はカップルで利用できる岩盤浴もあるため、デートにもおすすめです。
なお、岩盤浴は頻度が多すぎると体に負担がかかってしまうため、週に2～3回ペースを目安にしましょう。