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雇用保険の基礎知識

働く基礎知識

はじめに

就職すると、働く人と雇う人との間で、「働きます」「雇います」という契約が結ばれます。これを「労働契約」といいます。働く人を守るための法律が「労働法」です。

会社に雇われた人が安心して働けるよう、保険や年金の制度があります。保険に入っておくと、失業したとき、病気やケガで働けないときなど、「給付金」がもらえるようになります。

働く人のための各種保険や年金について、基礎知識を解説します。

「各種保険完備」とは?

会社や店舗に雇われるとき、「各種保険完備」と言われたら?その勤め先では、次の4つの保険に入ることができます。

  • ・「雇用保険」
  • ・「労災保険」
  • ・「健康保険」
  • ・「厚生年金保険」
はじめて就職したり、転職するときは、自分がどの保険に入れるのか必ず確認しておきましょう。

注意すべきポイント

会社や店舗に雇われるのでなく、対等のパートナーとして働く人は、個人事業主として契約するので、「業務委託契約」となります。これらの保険は適用されないことに注意しましょう。

1.雇用保険
雇用保険は、失業した場合に「給付金」がもらえる制度です。保険料は、勤務先と本人が負担し、給与から引かれる形で納めています。
失業した人の生活の安定と再就職を助けるための保険なので、各地域のハローワークが受付をしています。支給を受けられるのは、次の4つの条件にすべて当てはまる人です。
  • ・現在、失業中である
  • ・辞める前の2年間で12ヶ月以上、雇用保険に加入していた
  • ・離職票か、雇用保険からはずれたと証明できる書類がある
  • ・ハローワークに求職の申し込みをしている

支給される基本手当の額は、働いていたときの給与の額によって決まります。また、支給される期間は、離職理由や年齢などによって変わります。 1週間の所定労働時間が20時間以上だった人は、派遣・契約社員やパート・アルバイトも含めて対象になります。正社員でない場合も確認を忘れずに!

2.労災保険
労災保険とは、勤務中や通勤中の事故でケガをしたり、仕事が原因で病気になった場合、国から「給付金」をもらえる制度です。
労働基準監督署が受付をしています。

いわゆる「労災」のことですが、次の2種類に分けられます。

  • ・「業務災害」・・・仕事が原因のケガ・病気・死亡
  • ・「通勤災害」・・・通勤中の事故など

通勤に使う交通手段や通勤ルートは、正しく勤務先へ知らせておきましょう。別の交通機関やルートを使っていた場合、労災の対象外になってしまいます。労災はパート・アルバイトの人も対象になります。もし勤務先が加入手続きをしていなくても給付を受けられるので、覚えておきましょう。

3.健康保険
働く人やその家族が、病気・ケガ・出産をしたときや、死亡したときなどに、必要な「医療給付」と「手当金」が支給される制度です。

病院に持って行く「保険証」は、健康保険に入ると発行されます。どの健康保険組合に入るかは、勤務先によって違います。 失業したり、加入対象とならない場合は、誰でも国民健康保険(国保)に入ることができます。どちらも、病院の窓口で支払う額(窓口負担)は、治療費の3割となります。

会社などの勤め先で健康保険に入った場合、保険料は会社と自分で負担し、給与から引かれる形で納めます。 仕事を辞めると資格が失われるので、次の2通りから選ばなくてはなりません。

  • ・(1)「任意継続」・・・今まで加入していた保険を続ける場合、保険料は全額自己負担になります。(治療費の自己負担は、3割のままです)
  • ・(2)国民健康保険に加入・・・地域の市役所で、切り替えの手続きをおこないます。
4.厚生年金保険と国民年金
20歳以上60歳未満の国民が全員加入を義務づけられているのが、国民年金です。会社や店舗に雇われると、それに加えて厚生年金に加入することになります。(公務員は共済年金)

所定労働時間(日数)によっては、派遣・契約社員やパート・アルバイトも加入の対象になることがあります。勤務先に必ず確認するようにしましょう。勤めている人は、国民年金と厚生年金を合わせた額を、給与から天引きで納めます。(保険料は勤め先と半々で負担)

仕事を辞めたときは、手続きをして国民年金を自分で納めることになります。振り込みや口座引き落としなど、支払いに便利な方法もあるため、市役所の窓口(または社会保険事務所)に相談するとよいでしょう。

年金の給付を受けられるのは、高齢になった人と、ケガ・病気などによる障害で働けなくなった人です。

加入期間が最低25年ないと、受給資格はもらえません。そのため、国民年金に加入しないでいると、将来もらえる金額に影響してしまいます。30歳未満の人は「若年者納付猶予制度」を利用すると、25年に満たなくても受給資格が得られることがあるので、今すぐ保険料が払えない場合は手続きしておくのがおすすめです。